ヴェブレン効果とは?価格が高いほど売れる。【マーケティング】
- ヴェブレン効果って何??
- マーケティングに活用したい!
この記事では、この様な方に向けて書いています。
- ヴェブレン効果の意味
- 活用する上でのポイント
- 活用する上での注意点
この3つについて記述します。ではさっそく書きますね!
ヴェブレン効果とは?
ヴェブレン効果とは、
のことを指します。
例えば、
- 超高額であること
- 希少性が高いこと
上記の2つの要素のどちらかを満たしていると、入手困難です。
それに「価値があると認められている場合にのみ」、ヴェブレン効果が働き需要が高まります。
ヴェブレン効果を上手く活用すると通常の原理に反する現象が起きる
同じ製品・サービスなら、「価格が低いほど需要量が増える」
このように思いませんか?
ですが、その逆の現象も存在します。
「製品・サービスの機能や性能」の高さによって価値が上がるのではなく、「価格が高いこと」によって価値が上がることもあります。これはまさにヴェブレン効果を利用した例です。
ヴェブレン効果の成り立ち
「ヴェブレン効果」という名前の由来の話です。
アメリカの経済学者、社会学者であるソースティン・ヴェブレンさんによって1899年に発表した本「有閑階級の理論」の中で、有閑階級の人たちが顕示的な消費を行ってることに言及しています。ヴェブレンさんはこの本の中で衒示的消費(conspicuous consumption)と呼んでいました。
そしてその後、アメリカの理論経済学者であるハーヴェイ・ライベンシュタインさんが1950年に発表した論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果」で提唱しました。
この様な経緯で「ヴェブレン効果」と呼ばれています。
ソースティン・ヴェブレンさんの名言
そして、アメリカの経済学者、社会学者であるソースティン・ヴェブレンさんの名言を紹介します。
レジャー生活そのものが美的で高潔に映るほどの教養を身につけたいものである。
引用元:Thorstein Veblen ソースティン・ヴェブレン アメリカの経済学者・社会学者
有閑階級の理論
そしてこちらが上述したヴェブレンさんの代表作とも呼べる本で、「ヴェブレン効果」について最初に言及した本ですね。
詳しく読んで勉強したい方はこちらをどうぞ。
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ヴェブレン効果の活用例
活用事例を挙げた方がイメージしやすいと思うので、いくつか紹介します。
アパレル製品
例えば、Louis Vuitton(ルイヴィトン)、GUCCI(グッチ)などの洋服を見ると、とても価格が高くて驚きます。
ですが、服もどこかで「原価」はカンストすると思っています。このカンストした原価以上に、値段を高く設定して売るとなると、材質の他に何か付加価値をつけなくてはいけません。
そこで「デザイン性」で付加価値をつけるという方法が思いつきます。でもこれだけだと疑問が出てきます。
「デザイン性だけで、Louis Vuitton(ルイヴィトン)、GUCCI(グッチ)ほどの価格で買ってもらえるのか?」という疑問です。
この服は、¥113,300で売られています。
このデザイン性に11万は妥当だ!という方もいるかもしれませんが、恐らく多くはないんじゃないかな、と思います。
ですが、Louis Vuitton(ルイヴィトン)やGUCCI(グッチ)というのはハイブランドとして知られているので、「高いこと」はファッションに疎い僕でも知っているくらい知れ渡っていると思います。
そんな状況下で何が価値を生んでいるのかというと、「高いこと」だと思います。
ヴェブレン効果によって、顕示的な消費がしたい富裕層、お金に余裕がある人などの購入を狙っているいい例だと思います!
ブランディングが上手いです。
ランボルギーニ
ランボルギーニも上手い戦略を立てている例だと思います。
車は基本的に移動するためのモノで、その機能は安い車も大して変わらないと思います。
(移動目的以外もあると思いますが)
法定速度があるので、車がいくら速くても、スピードを出せないので意味がないのでは?と思ってしまいます。
ですが価格は1千万円以上します。3千万円とかのもあった気がします。
なので、価格をそこまでを上げても売れるほどの付加価値をヴェブレン効果で満たしている良い例だと思います。
ヴェブレン効果を活用する上でのポイント
繰り返しになってしまいますが、ヴェブレン効果を大きくするには「価値がある認められていること」は前提として2つのポイントが必要で、この2つのポイントはリンクしています。
それは、
- 高額であること
- 希少性が高いこと
この2つのポイントが必要だと思います。
まず「価値がある認められていること」なのですが、これがないとそもそも、「羨ましいしがられない」とか「気づいてもらえない」とかがあるので、ヴェブレン効果が働きません。
高額であると、そもそも買える人が少ないので、自然と希少性があがります。
希少性は、価格が高くなくても、「手に入れることが難しい」となればヴェブレン効果が働きます。ですが、ヴェブレン効果が働いた結果、価値が上がるので価格が高くても売れるので結果的に高額になります。
ヴェブレン効果を活用するメリット
ヴェブレン効果を活用するメリットを2つ記述します。
「模倣困難性が高い」
一つ目のヴェブレン効果のメリットは、模倣困難性が高いことにあると思います。
価値があると認められるまでに時間がかかりますし、ブランドが続いてきた歴史などは真似することができません。
例えば、「1950年代から続いている歴史あるブランド」、という点を真似するのは不可能です。
その点を利用して地位を確立してしまえば、新規参入者が入り込む隙がなくなります。
模倣困難性についてこの記事の中で触れています。あわせて読みたいおすすめの記事です。
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「価格に上限額がない」
もうひとつのヴェブレン効果のメリットは、「価格に上限額がない」ことだと思います。
もちろん顧客が持ってるお金は有限なので、その意味では上限額がありますが、比較的簡単に価格をあげられます。
価格を上げた分だけ、「価格が高いことによって付加価値が生まれる」これを繰り返します。
ですが、逆にヴェブレン効果を狙わない場合は、その製品・サービスが満たそうとしているニーズを満たしてしまえば、それ以上は価格を上げることは難しいです。
「美味しい料理でお腹いっぱいにしたい」というニーズを狙うと、「お腹がいっぱいになったら満足」となりガチです。一杯1000円くらいの美味しいラーメンで満足する人が多いのかなと。
ですが「価格が高いものが欲しい」というのは、高ければ高いほど「欲しい」と思ってもらえます。
ヴェブレン効果を活用する上での注意点
ヴェブレン効果の注意点は、「いい製品・サービスではない」と広まってしまうと、「価値が認められている」という条件が満たせなくなり、売れなくなるという点です。
これは、どの商品にも言えることだと思いますが、価格が高い分、その業界の最高品質の製品・サービスである必要があります。
「価格が高いから期待が大きい」のでその分、信用も落ちやすいです。
まとめ
最後まで読んでくれて、ありがとうございます!
ヴェブレン効果とは、「顕示的な消費欲求」によって「需要が増える現象」のことです。
例えば、「価格が高いこと」が製品・サービスが欲しい理由になったりします!
この知識が何かの役に立てば嬉しいです。
ありがとうございました。