シグナリング効果とは?【価格設定に活用できます】
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この記事では、この様な方へ向けて書いています。
「シグナリング効果」の意味、活用方法などを解説します。
マーケティングに興味のある方は、知っていて損はない知識だと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
シグナリング効果とは?
シグナリング効果とは、
情報を持っている側が、持っていない側に、その情報を間接的に伝えている現象のことを意味します。
例えば、就職希望者が企業に対して、「自分が優秀である」ということを伝える場面で、直接的にそれを伝えるのは難しいので、間接的に「学歴」などの「シグナル」を企業側に送って伝えようとします。
高学歴であることは、仕事ができることに直結しませんが、それなりに相関があるので、それを企業は参考にします。
そのことを就活生は知っているので、「学歴」でアピールしようとするのです。
「シグナリング効果」は、単に「シグナリング」「Signaling」のように呼ばれることもあります。
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シグナリング理論
シグナリング効果について最初に言及したのが、マイケル・スペンスさんです。アメリカ生まれの経済学者です。
スペンスさんが、ハーバード大学の博士論文として1972年に発表した「シグナリング理論」が評価され、1974年にハーバード大学の出版社から本として改めて出版されました。その中で言及されています。
スペンスさんは、2001年にノーベル経済学賞を受賞しています。
また、「シグナリング理論」に興味がある方向けに、この様な本があります。
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価格のシグナリング効果
シグナリング効果は価格設定に活用することが可能です。
例えば、「価格が低い掃除機」より、「価格が高い掃除機」の方が「たくさん売れる」という現象が起きることが予想できます。
顧客は「価格」という「シグナル」によって、その「製品の質」を推測しようとするからです。
「この掃除機は価格が高いから、きっとしっかりしてるんなんだろうな」などと思われる傾向にあります。
この様に、敢えて高い価格を設定することによって、販売数までも増やすことを狙う価格戦略は「トレーディングアッププライシング」と呼ばれていたりします。
これに関して詳しく知りたい方は、下記の記事をお読み下さい。
価格のシグナリング効果が有効な場面とは?
価格のシグナリング効果は情報の非対称性がある場面では有効です。
例えば、車を作って販売する会社が、車の部品を発注するような場面では、発注者側も十分に情報を持っていると考えられます。相場、部品の質などの情報を把握しています。
このように、発注者と受注者で、「情報の非対称性がない」場合はあまり有効ではありません。
ですが、「情報の非対称性がある」場合は有効です。
例えば、車を売る場合、「いい車」なのか「わるい車」なのかは、専門知識がない一般消費者は分かりません。この様な場合に有効です。
「安心して購入できる」「満足感が上がる」などの効果があります。
「ハロー効果」の話と似ているところがあるので、こちらの記事を合わせて読むことをおすすめします。
また、
経済学的に言い表すと、「経験財」「信用財」「消費財」などと相性がいいです。
こちらの記事の途中で解説していますので、気になる方は、ぜひご一読ください。
製品・サービスの質に自信がある場合は価格を上げるのが有効
製品・サービスの質に自信がある場合は、価格を上げることをオススメします。
なぜなら、シグナリング効果によって「高品質を求める顧客層にシグナルを送る」ことができるので、顧客にとって分かりやすいからです。
さらに、そこで満足してもらえれば「信頼」に繋げることができます。
逆に、
価格を上げることで、「購入してもらう」ところまでは到達可能ですが、製品・サービスの質が低い状態でこれをやってしまうと、価格が高い分、期待されているので、信用を失います。
以後、本当に質が高い製品を高く売り出しても、思うように売れません。質の低い製品にでも支払えるような金額でしか購入してもらえなくなります。
逆選択を防げる
「逆選択」または「逆選抜」という概念があります。
これは、ターゲットとしない顧客層を自ら引き寄せてしまう行為のことを指します。
例えば、モテようとして、お金を持っていることをアピールすると、「お金目当ての人が寄ってくる」と考えられます。ですが、それは求めていない。のようなミスマッチの状態ですね。
ビジネスシーンで言うなら、「製品の質が高いこと」を求めているお客さんをターゲットにするなら、上述した通り「価格を高く設定して顧客にシグナルを送る」という方法がおすすめです。
安売りすると、クレーマーなどが集まる可能性が上がるので、安く売りだせば良いというものでもないのです。
まとめ
最後まで読んでくれて、ありがとうございます!
マーケティングに興味のある方が読むと、面白い記事内容だったと思います。
(違ってたら、すみません。)
なのでぜひ、この記事の知識を記憶して「シグナリング効果」を上手く活用してみて下さい!
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この記事が少しでも参考になれば幸いです。
ではっ。