マーケットシェア理論とは?シェアの重要性と目標値
この記事は、この様な方へ向けて書いています。
簡潔に要点を押さえて解説しますので、
「時間がなくて、調べてられない、、」
「そこまで興味ないけど、ざっくり知りたいな」
この様な方のお役に立てるはずです。
この記事を読むことで得られる知識
- マーケットシェア理論の概要
- マーケットシェア理論の活かし方
では、記事内容へ入っていきます。
マーケットシェア理論とは?
マーケットシェア理論とは、どのくらい市場でシェアを取ると、「どの様な影響力を持てるか?」が大体決まってくるので、それを数字を用いて表したものです。
例えば、約70%シェアを取ると、それはかなり安定するので、ほぼほぼ「ひっくり返されることはない」と言われています。
逆に、80%など、それ以上のシェアを取ってしまうと、70%の時より逆に、「不安定」「非効率的」であると言われています。
「市場シェア率とは何か」
例えば、コーヒーを日本で売っている会社が10社だけだったとします。
この時、売り上げが
2位~10位 1%
だとすると、1位の会社がシェア91%で、その他の会社はそれぞれ市場シェア率1%です。
つまり、その市場の全体の売上の内、何パーセントを自社で売り上げているか?を市場シェア率~%と表します。
では、具体的に数字をみていきましょう!
マーケットシェア理論の目標数値
マーケットシェア理論では、7つのシンボル目標数値があります。
それをまず列記します。
7つのシンボル目標数値
- 73.9% 上限目標値
- 41.7% 安定目標値
- 26.1% 下限目標値
- 19.3% 上位目標値
- 10.9% 影響目標値
- 6.8% 存在目標値
- 2.8% 拠点目標値
それぞれについてもう少し詳しく記述します。
73.9% 上限目標値
マーケットシェア理論において73.9%は「上限目標値」とされています。
それは、これ以上でも以下でもなく、73.9%が最も「安定」かつ「効率的」に収益を上げることができると言われています。
適度な競争があった方が業界として良い
材料などの仕入れ先が居なくなる
残り3割を取りに行くにはコスト的に損である
上記の3つが理由として挙げられます。
それぞれについてあと少しだけ記述します。
自社以外の企業が存在することによって、それらが戦い、切磋琢磨します。それにより、あまり収益は上がらないような「小さなニーズ」を狙う企業が出てきます。
それにより、業界全体として、「幅広いニーズ」を満たすことができるので、自社のみではなく業界全体の収益が上がります。
そうすることで、「新しい顧客」を業界に引っ張ってきてくれます。
長期的に考えるとそこで一番得をするのは、シェア1位の自社であると予測することもできます。なぜなら、1億円の市場規模で70%のシェアを取っていたとします。自社の収益は7000万円です。その後、市場規模が2億円に増えたとします。すると、自社のシェアが70%を維持できたら、1億円のうちの70%、つまり+7000万円の収益が上がります。これは業界で最も高い金額です。
上記の様に、業界が盛り上がるほど、シェア率が多い順に得をします。
そして業界にお金を落としてくれるきっかけを作ってもらうことで、じゃあ他の会社の製品も試してみようかなと、なることが考えられるので一時的に引っ張ってきてくれた方が得であるということですね。
例えば、ニッチなゲームをしたことにより、ゲームが面白いと感じて次には有名なゲームにも手を出す。こんな感じです。
自社が車を作って売っている会社だとします。
シェアが70%を超えて100%に近づくと、どんどん「車を作って売る会社」が減ることを意味します。
すると、自社に車の部品を提供してくれていた企業は、「リスク」を抱えることになります。ベンダーは一つの企業に依存することを避けようとするため、供給先が少なくなる。
よってベンダーの競争がなくなることにより、進歩がなくなってしまうことが考えられます。
上記の二つのデメリットよりも、「3割を取りにいくメリット」が上回れば、「もっとシェアを増やした方が良い」という結論になりますが、
ある程度協力して、業界全体を成長させた方が「得」ということですね。
業界の収益性を分析する手法については、下記の記事で解説しています。
41.7% 安定目標値
シェアが41.7%に到達すれば、1位として安定すると言われています。
上限目標値を越さない程度にシェアを伸ばすことを目標としつつ、「新規事業」のことも考えるタイミングですね。
26.1% 下限目標値
業界で1位として、「強者の戦略」を取れる最低限の目標値です。
1位だとしても、これ以下のシェア率だと、1位としての戦略は取らない方がいいでしょう。
「強者の戦略」については「弱者の戦略」と共に下記の記事で解説しています。
ランチェスターの法則とは?弱者が強者に勝つヒントになります。
19.3% 上位目標値
上位目標値に到達した場合は、業界1位を目指すことができる圏内です。
本格的に1位争いが開始します!
10.9% 影響目標値
影響目標値に到達した場合は、市場に対して影響力を持てます。
周りの競争他社も注目してくるはずです。
逆に、このシェア率以上の企業をチェックするべきです。
6.8% 存在目標値
存在目標値に到達した場合は、業界から「存在を認識」されます。
ここに限らず、コツコツと一つ一つ上の目標地点を目指すことが大切です!
2.8% 拠点目標値
拠点目標値は、「市場参入できたかどうかを判断する」場面で使います。
一定の時間とリソースをかけて「これ以下のシェア率」だった場合は、「撤退」もしくは「やり方を見直す」ことを考えるべきだと思いますね。
どう市場シェア率を上げるか?
市場シェア率によって、「どのような状況と言えるのか?」は上述の通りです。
では、市場シェア率を上げる方法をご紹介します。
ランチェスター戦略を使う
後述しますが「ランチェスター戦略」の中で、「マーケットシェア理論」が提唱されていて、さらに「シェア率別の戦い方」についても体系化されています。
市場シェア率が1位の企業を「強者」と定義し、それ以外を「弱者」と定義しています。
ランチェスター戦略については、下記の記事で解説しています。
ランチェスターの法則とは?弱者が強者に勝つヒントになります。
市場をどう定義するか?が重要
市場シェア率を考える時に、市場をどう定義するか?が重要です。
例えば、飲食業界でも、どの「本質サービス」を満たしているか、という観点から細かく分けて考えることができます。
「本質サービス」については、下記の記事の途中で解説しています。
「低価格で素早く食事がしたい人」
「高価格でもいいから質が高い食事がしたい人」
などと絞った中で、1位を目指すのが有効です。
マーケットシェア理論はどうやて出来上がったのか?
イギリスの自動車工学、航空工学のエンジニアであるフレデリック・ウィリアム・ランチェスターさんが戦争のデータを集め、「兵士の減少数」を数理モデルで表した「ランチェスターの法則」を日本に持ち込み、ビジネスへ応用したものが「ランチェスター戦略」です。
田岡信夫さんがはじめて日本でマーケティングに応用したと言われています。
そのランチェスター戦略の中で、「マーケットシェア理論」が用いられています。
ランチェスターの法則とは?弱者が強者に勝つヒントになります。
まとめ
最後まで読んでくれて、ありがとうございます!
マーケットシェア理論を知り、ランチェスター戦略も知ることが「弱者が強者に勝つためのヒント」になると思います。
逆に「強者の戦い方の定石」を知ることも、意味があると思います。
この記事の知識が少しでも役に立てば幸いです。
ではっ。